エネルギー転換、サステナビリティ、循環型経済
エネルギー転換の課題は、万博における私たちの取り組みの中でも重要な役割を占めています。エネルギー安全保障は今、世界中で避けられない緊急の課題テーマとなっています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、エネルギー部門は世界の温室効果ガス排出量の3分の2以上を占めています。そして今後20年以上で、現在よりも36%を超えるエネルギーを消費する見込みです。だからこそ、再生可能なエネルギー資源への転換が、より環境に優しく、未来志向の世界を実現するカギを握っていると言えるのです。
オランダは、再生可能エネルギーへの転換を加速させるために、新しいアイデアと可能性を探る旅に皆さんをご招待したいと思います。私たちが提案するイノベーションとは、下記の通りです。
- 洋上風力
- 水素
- システム統合とバッテリー
- 帯水層蓄熱システム(ATES)
- 循環型経済(CE)
- 水(災害リスク削減/レジリエンス(回復力))
洋上風力
オランダは、洋上風力発電所の建設において、革新的な技術とサプライチェーンの緊密な連携により培われた豊富な経験を有しています。私たちは、エンジニアリング、設計、運用、メンテナンスなど、さまざまなテーマにおいて協力関係を築きたいと考えています。
水素
水素は、特に排気ガスを排出しない輸送手段において、再生可能エネルギーへの移行を加速するための重要な役割を担っています。オランダは、大量輸送、ガスの取扱い技術、水素を利用した経済構築のためのシナリオプランニングに長けています。日本とは、国際海上輸送、ガス変換、ガスセンシング、ガスインフラなどの分野での協力に大きな可能性を感じています。
ATES(帯水層蓄熱システム)
世界中の都市では、常に安定したエネルギー供給が必要となります。国連によると、都市部は世界の一次エネルギーの75%を消費しているといわれています。より包括的で公平なエネルギー確保を実現するためには、都市部におけるエコロジカル・フットプリント(エコフット)を最小限に抑え、エネルギー流通網をより持続可能なものにする必要があります。
日本のオフィスビルにおける電力消費量の約半分は空調が占めています。持続可能でクリーンなエネルギーを利用した帯水層蓄熱システムは、省エネとCO2排出量の削減、ヒートアイランド現象緩和を可能にします。この技術は日本でも利用でき、大規模な建築物の冷暖房に有効です。帯水層蓄熱システムは、投資を抑えながら、迅速に導入することが可能であることから、オランダは、この技術の日本での導入促進を目指しています。3,000件以上の帯水層蓄熱システム導入実績を持つオランダの経験と専門知識は、日本の都市部でのさらなる導入を支援することができるはずです。
システム統合とバッテリー
オランダでは、エネルギー供給網不足の解消と、電力化を可能にするために、システム統合(エネルギーミックスと対応性向上のため)とバッテリーに注目しています。これらの分野における日本の高度な専門性への期待は高く、日本との協力の機会を模索することを目指しています。
循環型経
オランダは、2050年までに完全な循環型社会の実現を目指しています。万博では、エネルギー転換において重要な役割を担う、気候変動に左右されない循環型インフラを紹介いたします。私たちは、サーキュラーデザイン、生産、会計、デジタル化における共創関係の機会を探っていきたいと考えています。
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